子供がウイルス性胃腸炎など、感染力の強い病気になった時、嘔吐物の取り扱い方法がとても大切です。
嘔吐物を触った手やその手で触れた物を介して、口に入り感染してしまうからです。
また乾燥した嘔吐物が飛散し、そのウイルスを吸い込み感染することもあるから要注意。
今回は【家族の誰かが感染性胃腸炎になってしまった時】気を付けたほうが良いこと、気づいたポイントをまとめますのでぜひ参考にしてくださいね。
目次
嘔吐物の取り扱い方法と注意点
嘔吐物処理の3原則
- すぐにふき取る
- 乾燥させない
- 消毒する
最初に書いた通り感染性胃腸炎は、感染している人の嘔吐物や便から感染してしまいます。
そのため、3原則を守ることが大切です。
嘔吐物を処理する時に必要なもの
- 使い捨ての手袋
- マスク
- エプロン
- 密閉するビニール袋
- 塩素系漂白剤
- 漂白剤を希釈する入れ物(ペットボトル・バケツなど)
- ペーパータオル
嘔吐物が付いたものは捨てるので、使い捨ての手袋やマスク、または捨てる予定のタオルなどを使いましょう。
嘔吐物の処理手順
- 喚起のために窓を開け、手袋・マスク・エプロンをつける
- 次亜塩素酸ナトリウム(ハイターやブリーチなどの塩素性漂白剤)の50倍液を浸したペーパータオルを覆いかぶせ、周りから中心に向けて静かにふき取る(便も同様)
- ふき取ったペーパーと手袋はビニール袋に入れて密閉し捨てる
- 手洗い・うがいを十分にする
嘔吐物を処理する時の注意点
- 手袋は付着した汚物が飛び散らないように裏返して外す
- 手袋⇒エプロン⇒マスクの順に外して廃棄する
- 喚起をするときは風の通り道を作ること
- 手洗いは爪の間、指先、シワまでしっかり洗うこと
- 時計は外して手洗いすること
※嘔吐物は想像以上に広範囲で飛び散ります。ある機関の実験では床から1mの所で吐くと、吐いた場所から1.8mフローリングでは2.3mまで飛び散る結果が出ました。嘔吐物から広範囲の場所も掃除しましょう。
嘔吐物が付着した衣類の洗濯方法
嘔吐物が付着した衣類は乾燥しないように、ビニール袋に入れて密閉しておきます。
マスク・手袋・エプロンを付けて、衣類を消毒していきます。
消毒には塩素系漂白剤を使用しますが、色物は色落ちしてしまうためNG。
塩素系漂白剤が使えないものは、熱湯で消毒しますよ。
●塩素系漂白剤が使用できるもの…50倍に希釈した消毒液に30分間浸す
●塩素系漂白剤が使用できないもの…85℃以上の熱湯に1分以上浸す
※熱湯で消毒する際はヤケドに注意すること
※ウイルス性胃腸炎の消毒にアルコールは効果がありません。消毒液か熱湯で消毒しましょう!
※熱湯でも色落ちする可能性があります!
50倍希釈の消毒液の作り方
●嘔吐物がついた床・リネン・衣類・トイレ…50倍に希釈した消毒液を使用
床:50倍液に浸した布・ペーパータオルで拭いた後で水拭き
トイレ:50倍液で洗って30分放置した後に水で洗い流す
衣類:50倍液に30分ほど漬けこみ、他の洗濯物とは分けて洗濯機で洗う
≪50倍希釈の消毒液の作り方≫
水500ミリリットルに対してペットボトルのキャップ2杯分の漂白剤を入れる
200倍希釈の消毒液の作り方
●直接嘔吐物が触れていないドアノブ・おもちゃ…200倍に希釈したペーパータオルで拭いたあと水拭き
≪200倍希釈の消毒液の作り方≫
水2リットルに対してペットボトルのキャップ2杯分の漂白剤を入れる
※カーペットや布団などの大型のものは、スチームアイロンで1か所に付き2分間蒸気をあてると効果的です。